実は複数の治療方法がある?受け口(反対咬合)の原因と治療について
投稿日:2024年4月8日
カテゴリ:院長ブログ
受け口とは
「受け口」とは、下顎が上顎より前に出ている状態のことをいい、「反対咬合」とも呼ばれています。咬合が合わないため歯の周りの筋肉が正常に発達しないことがあり、顎関節症などの問題を引き起こす可能性があります。重度の場合は特に注意が必要です。さらに、生活レベルにおいても、噛み合わせが合わずに食べづらさをかかえたり、虫歯や歯周病になりやすくなるといったリスクもあります。主な受け口の問題点は以下の通りになります。
- ●サ行やタ行の発音がしにくい
- ●食べ物をかみ切りにくい
- ●顔の表情がコンプレックスになりやすい
- ●虫歯や歯周病のリスクが高まる
- ●歯の一部が欠損することがある
- ●顎関節症を引き起こす可能性がある
代表的な受け口の原因
受け口の原因は、先天的なものと後天的なものがあり、様々にわたります。主な原因は以下の通りです。
親や親戚からの遺伝
受け口は遺伝的な要素が強く影響します。ですので、親や親戚に受け口の方がいると、その特徴が子供に遺伝することがあります。
口呼吸
鼻呼吸ができない場合、口を開けた状態で呼吸を行うことになるため、下顎が前に出てしまい受け口になる可能性があります。
口周りの習慣
指しゃぶりや乳幼児期における長期のおしゃぶりの使用、下あごを出す癖の習慣化が、顎の形状に影響を及ぼし、受け口の原因になることがあります。
受け口の治療方法
受け口の問題は歯列矯正で解決するのが一般的ですが、大人と子どもで治療方法が変わります。子どもは、顎が発達途中であるため、上顎の成長を促進させ、逆に下顎の成長を抑制することがポイントになります。ですのでそれぞれで違った矯正方法になり、大人の場合はワイヤー矯正、インビザラインで治療することになり、子どもの場合は小児用矯正装置やワイヤー矯正という方法になります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は矯正治療の中で最も利用されている方法です。歯の表面にワイヤーを設置し、適切な圧力をかけ所望の位置に移動させて受け口を治します。矯正期間は程度にもよりますが、半年〜3年の場合がほとんどです。
メリット
- 幅広い症例実績がある
- 細かな調節ができる
- 取り外しをしなくてよい
デメリット
- 矯正装置が目立つ
- 食事やスポーツに制限がある場合がある
- 歯が磨きにくい
- 痛みが生じることがある
- 通院回数が多い
インビザライン
インビザラインとは透明のマウスピースを1日20時間以上設置して行う矯正治療です。最新の機器を利用して、はじめに治療計画を立て、それに合わせてマウスピースを作ります。また、途中で歯の移動状況も確認することができるため、効果を実感しやすくモチベーションが保ちやすいのも魅力の一つです。矯正期間については、ワイヤー矯正のほうが強い力を与えることができるため、インビザライン矯正の方が長くなりますが、大体1年〜3年ほどになります。
メリット
- 矯正装置が目立たない
- 取り外しが可能
- 食事やスポーツ等の制限がない
- 痛みがほとんどない
- 通院回数が少ない
デメリット
- マウスピースのを自分で管理する必要がある
- 1日22時間以上の装着が必要
小児治療用矯正
小児治療用(マイオブレース)矯正とは早期予防矯正治療のことです。主な対象は発達期の子供(5歳〜15歳)で、成長過程にあわせて骨格の調整を行うことができ、受け口を直すことができます。口内に取り外し可能な装置を覚醒時間に1時間、就寝時それぞれに装着します。治療期間は個々の状況によって変わりますが1〜2年間がほとんどです。
メリット
- 普段通りの生活を送れる
- 健康的な顔つきになる
- 口呼吸が改善される
- 痛みがほとんどない
デメリット
- 子供がやがる可能性がある
- 治療を受ける上での年齢制限がある
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