歯周病は細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。自覚症状がなく発症・進行するため、本人が気づかない軽度の状態を含めると、成人の約8割が罹患していると言われています。

口腔内に蓄積した歯垢や歯石によって菌が繁殖し、炎症によって歯茎や歯を支える骨が溶かされ、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。また、歯周病は歯やお口だけの問題に留まらず、近年の研究にて全身の様々な疾患とも深い関係があることが明らかになっているため、注意が必要です。

認知症患者の約7割を占めるアルツハイマーは「アミロイドベータ（Aβ）」と呼ばれる不要なタンパク質が脳内に蓄積されることによって、発症・進行すると考えられています。

そして近年、九州大学と北京理工大学の共同研究によって、歯周病菌がアミロイドベータ（Aβ）の脳内蓄積量を増加させるという事実が解明されました。この研究結果から、歯周病の予防・治療によって将来的なアルツハイマーの発症リスク軽減や進行の抑制が期待できます。

日比谷通りスクエア歯科・矯正歯科では、計画的な予防・治療・メンテナンスを実施するため、歯科衛生士を担当制にしております。

毎回、同じ歯科衛生士が担当するため、口腔内の変化にもいち早く気づくことができ、早期の対応が期待できます。

当院では定期検診の際に必要に応じて歯周病検査を実施しております。

歯周ポケットの深さや出血の有無をはじめ、プラークの付着量や歯の動揺などをチェックし、できるだけ軽度の内に歯周病を発見、早期治療が行えるよう心がけています。

日比谷通りスクエア歯科・矯正歯科では、歯周病の発症・悪化を防止するため、短時間で広範囲の処置が可能な超音波スケーラーと細部の精密な処置に適しているハンドスケーラーを使いわけ、徹底した歯石除去を行っております。

当院では歯科拡大鏡やマイクロスコープを使用し、口腔内に付着した歯石の除去を行っております。

視野が拡大されることによって、歯周ポケットの内部もしっかりと目で確認しながら処置が行えるため、取り残しのない精密な歯石除去が可能となります。

歯周病によって歯茎や歯槽骨(歯を支える骨)が溶かされ、歯の動揺が激しい場合にはエムドゲインゲルによる歯周組織再生療法を実施いたします。

エムドゲインゲルには、歯の発生時に重要な働きをするタンパク質が含まれています。歯茎や骨が少なくなった部分にエムドゲインゲルを塗布することによって、失った歯周組織の再生を促し、もう一度歯を支えられる状態に戻します。

歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなるため、中の状態を目で確認できなかったり、器具が奥まで届かなかったりなど、適切な処置が困難となります。

そのような場合には、歯周病外科治療を実施いたします。麻酔後に歯茎を切開し、歯根部分を露出させた状態で歯石の除去、感染歯肉の切除などを行い、症状の改善を図ります。